「7〜8時間睡眠が正しい」は本当か——“長時間信仰”に潜むリスクとは

「健康のためには毎日7〜8時間はしっかり眠るべきだ」
──これは、もはや現代の“常識”として広く信じられている考え方です。

かつては受験期において「四当五落(よんとうごらく)」、つまり4時間の睡眠を取る人は合格し、5時間では落ちるといった言葉がありました。しかし現在では、7〜8時間程度の睡眠を確保することで、集中力などの観点から高いパフォーマンスを発揮できると、広く知られるようになっています。

実際に、テレビや雑誌、SNSでは毎日のように「睡眠の大切さ」が説かれ、専門家と称する人々が口を揃えて、「7時間以上眠らないと健康を害する」と警鐘を鳴らします。しかし、果たしてその情報は本当に“万人にとっての正解”なのでしょうか。

確かに、睡眠は心身の健康にとって欠かせない要素です。しかしながら、すべての人にとって「7〜8時間の睡眠」が本当に最適なのでしょうか。

目次

知られざる短時間睡眠のメリット

短時間睡眠でも高いパフォーマンスを発揮する人々

歴史を見れば、短時間睡眠でも卓越した成果を上げてきた人物は枚挙にいとまがありません。エジソン、ナポレオン、レオナルド・ダ・ヴィンチ、そして現代では多くの起業家や研究者たちが、短時間睡眠を取り入れながらも驚くほど高い生産性を維持しています。

彼らは、自分自身の体質や生活リズムに合った睡眠スタイルを見つけ、限られた時間を効率的に活用しています。

単純に考えても、8時間睡眠を3時間に短縮できたとすれば、1日に5時間、1年間で約1,800時間もの自由時間が生まれます。これは、寿命を延ばすことに等しいとも言えるでしょう。これは大きなメリットです。

私自身も以前は長時間睡眠を取っていましたが、やりたいことが増え、次第にそのスタイルに疑問を抱くようになりました。そして、ショートスリープに関する情報を探す中で出会った一冊の本が、長時間睡眠への疑念を確信に変えてくれました。以下の本は、従来の睡眠理論の矛盾点を明確に指摘し、新たな視点を提供してくれるものでした。

実際、長時間寝なければ疲労が回復しない、集中できない、寿命が縮むといった固定観念から解放されてからは、以前よりも快活に、集中力を高めながら、より充実した生活を送れるようになってきています。

ホルモンバランスへの影響からみれば、睡眠中に分泌されるGABAというホルモンは、アドレナリンの働きを抑制します。長時間睡眠では、過剰なGABA分泌により、やる気や集中力が低下する場合があります。

逆に、短時間睡眠であればアドレナリン優位となり、集中力が増すと考えられます。

また、眠気の原因となるアデノシンという物質は、ATP(アデノシン三リン酸)の代謝過程で生まれます。アデノシンは睡眠中に分解されるため、十分に分解されれば、短時間の睡眠でもしっかりとリフレッシュすることが可能です。

“7時間睡眠=健康”という神話の危うさ

確かに、極端な寝不足は集中力の低下や免疫力の低下を招く可能性があります。しかし、「とにかく長く眠れば健康になれる」という考え方は、単純すぎるとは思いませんか。

一部の睡眠研究やメディアでは「7時間以下の睡眠が続くと死亡率が上がる」といったデータを強調しますが、それらの多くは相関関係を示しているに過ぎず、因果関係がはっきりしていないケースも少なくありません。

むしろ、長時間の睡眠が引き起こすリスクは意外と見過ごされています。

長時間睡眠がもたらす健康への害

ここで、長時間の睡眠がもたらす影響についても考えてみましょう。以下のようなリスクが指摘されています:

● 体温の低下

睡眠中は体温が低下します。これが免疫力の低下を招く原因となることもあります。実際、体温と免疫の関係はしばしば指摘され、体温が1℃下がると、免疫力はおよそ30〜40%低下すると言われています。しかし、睡眠時の体温低下が健康に与える影響については、あまり語られておらず、これは少々不自然なことではないでしょうか。

● 血流の悪化

長時間同じ姿勢で寝ていることで血流が滞り、老廃物がたまりやすくなります。結果として、血液の粘度が高まり、肩こりやむくみなどの不調を引き起こすこともあります。

● 栄養の吸収機械の減少

睡眠中は当然ながら食事ができないため、その分、栄養の摂取や吸収のタイミングが限られてしまいます。

● 代謝の低下

日中の活動量が減ることで代謝が落ち、その結果、太りやすくなったり肌の状態が悪化したりする可能性もあります。例えば、ニキビや吹き出物に気づくのは朝起きたときが多いのではないでしょうか。これは、睡眠中に代謝のバランスが崩れていることを示唆しています。

実際に、免疫同様、温度が1度下がると、代謝も約12%下がると言われています。そのため、きれいな肌を保ちたいなら、長時間睡眠を取ることが、かえって大きなリスクとなるのです。

● 酸素量の低下

さらに、代謝や免疫、エネルギー生産全般に深く関与する酸素量も、睡眠時には低下します。酸素は細胞がエネルギーを生み出すために不可欠な要素であり、体内での効率的な酸素供給がなければ、代謝活動や免疫機能の維持が難しくなります。

睡眠中は身体が休息モードに入り、心拍数や呼吸数が減少することで酸素の取り込みも減るため、これが一時的に酸素量の低下を招くのです。

結びに

健康で充実した生活を送るために

大切なのは、自分の体と生活スタイルに合った睡眠時間を見つけることです。睡眠時間は人それぞれ異なり、他人と同じ時間を確保することが必ずしも最適とは限りません。

つまり、長時間眠っていないからといって、それが悪いというわけでもないのです。

自分の体調や生活リズムを観察し、長時間であれ短時間であれ、最適な睡眠時間を見つけることが、健康維持には重要です。

常識に縛られず、自分の“最適”を見つけよう

繰り返しになりますが、「7時間睡眠が常識」とは限りません。むしろ、これまで見てきたように、長時間睡眠にもデメリットがあり、短時間にもメリットがあります。ですから、「7時間睡眠健康説」といった、この世の「ドグマ」に縛られることなく、自分の体と向き合い、自分に合った生活リズムを見つけることが、充実した日々を送るための鍵となります。

無理に他人の基準に合わせるのではなく、自分らしい生活を大切にしましょう。睡眠時間もその一部です。自分にとって最適な睡眠時間を見つけ、健康で充実した毎日を送りましょう。

お読みいただき、ありがとうございました。

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