生きた物理現象を記述する、新しい四元数とは。

私たちが高校で習った複素数 \(a + bi\)(ここで \(a, b\) は実数、\(i\) は \(i^2 = -1\) を満たす虚数単位)や、数学者ハミルトンによって発見され、のちのベクトルやスカラーの元となった四元数 \(c + di + ej + fk\)(\(c, d, e, f\) は実数、\(i, j, k\) は互いに非可換な虚数単位)は、実のところ、静的な、すなわち時間変化によらない平面や空間における変換を示しています。

それに対し、以下に紹介する新・複素数や新・四元数は、時間変化を考慮した、すなわち動的な平面や空間における変換を記述するものであり、今回はそのことについてお話しします。

繰り返しになりますが、ハミルトンが考案した四元数は、時間変化を考慮しない平らな空間を表していました。そのため、ハミルトンは四元数を物理学に応用しようと試みましたが、生涯うまくいきませんでした。その結果、四元数から部分的に抽出されたベクトルをもとに、現在の物理数学で用いられているベクトル解析が誕生し、この解析手法を使って物理世界の記述が行われてきました。しかし、その後、物理現象を記述しようと、マクロでは存在しないベクトルポテンシャルやスカラーポテンシャルを導入してみたものの、現代物理学自体が、あまりにも複雑怪奇で、直感的に理解できない代物になってしまいました。

また、私たちの生きる空間は時間軸を加え、曲がっていると考えられています。アインシュタインは時空が曲がっていることを示し、テンソルやミンコフスキー空間を用いて曲がった時空の記述を試みました。

しかし、彼が相対性理論で採用したミンコフスキー時空には、\(x, y, z\) 方向への移動の際に必ず時間座標 \(ct\) が0になってしまうという重大な欠陥がありました。

◇相対性理論を定式化したミンコフスキー時空は完全なる誤りである。その確固たる証拠。

そこで、実際には、先述の四元数に虚数 \(h\) を加えた新しい四元数を用いることで、曲がった空間、すなわち時間変化を考慮した動的な変換を記述することが可能になります。

——–以下こちらより引用——–

3.4 第 4 の虚数 \(h\)


ハミルトンは複素数 \(a + bi\) を拡張して、4 次元時空における点の位置を四元数 \(a + bi + cj + dk\) で表しています。
\(a, b, c, d\) は実数であり、\(i, j, k\) は虚数です。また、演算規則は
\[
i^{2} = j^{2} = k^{2} = -1
\]
\[
ij = -ji = k, \quad jk = -kj = i, \quad ki = -ik = j
\]
です。
19 世紀の後半に、この四元数を使って物理法則を記述しようと試みられましたが成功しませんでした。その理由として、ハミルトンの四元数が成り立つ 4 次元時空は平らな時空であることが考えられます。
複素数を拡張した四元数を曲がった時空における座標変換に使おうとすれば、新しい虚数の導入が必要になります。そこで、第 4 の虚数 \(h\) を仮定します。演算規則は
\[
h^{2} = -1, \quad hi = ih, \quad hj = jh, \quad hk = kh
\]
とします。\(i, j, k\) の演算規則はハミルトンの四元数と同じです。
計算するとわかりますが、\(hi = -ih\) にすると計算が複雑になりローレンツ変換を導くことができません。
また、\(i, j, k\) は \(ij = k\) のように相互の関係がありますが、\(h\) は \(hi = ih\) のように \(i, j, k\) と相互関係がありません。
その理由は、我々は空間から空間へは移動できますが、時間から空間へは移動できないからです。
\(h\) は時間を表し、\(i, j, k\) は空間を表すので、\(h\) は \(i, j, k\) と無関係です。逆にいえば、数学的に \(hi = ih\), \(hj = jh\), \(hk = kh\) なので、我々は空間から時間へ移動することができません。つまり、時間旅行ができないのです。


今後は、4 次元時空における点の位置を新四元数 \(ah + bi + cj + dk\) で表すことにします。ただし、\(c\) は光速度の \(c\) ではありません。
また、\(a\) は時間座標であり、\(b, c, d\) は空間座標です。新四元数で \(c = d = 0\) にしたものが新複素数 \(ah + bi\) です。

——–引用ここまで——–

このように、物理学に時間軸を導入する際には、テンソルのような手法ではなく、四元数や八元数を用いることで、より完全な記述が可能になると考えられます。もともとテンソルやベクトルは、四元数の一部分を抜き取って発展した分野といえます。しかし、テンソルで記述される複雑さが、必ずしも説明の正しさを保証するわけではありません。なぜなら、オッカムの剃刀の原則から、真理とはシンプルであることが示唆されるからです。上記の新・四元数は、現代の物理学の教科書とは違いますが、現実に、われわれの住む世界が空間から時間へ移動できない事実と符合しています。科学の使命とは、真理を探究することです。したがって、今までの常識を捨ててでもさらなる真理を探究することは、理にかなっているのです。

お読みいただきありがとうございました。

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