微視的な「乱雑さ」を示すエントロピーは、熱力学の法則(第二法則)によれば、かならず増大する方向に進むことになっています。
——————————————–(以下こちらより引用)
熱力学第二法則ですが、これには以下の3つの表現があり、このうち1つがエントロピー増大の法則と呼ばれています。
◆ 熱力学第二法則の3つの表現
①クラウジウスの原理:
外に何の変化も与えずに、熱を低温から高温へ移すことはできない
②トムソンの原理:
外から熱を吸収し、これを全て力学的な仕事に変えることはできない
(= 熱効率 < 1 = 第二種永久機関は存在しない)
③エントロピー増大の法則:
不可逆断熱過程では、エントロピーは必ず増大する
——————————————–(引用ここまで)
エントロピーとは簡単にいうと「無秩序な状態の度合い(=乱雑さ)」を定量的に表す概念で、無秩序なほど高い値、秩序が保たれているほど低い値をとります。
ゆえに、エントロピー増大とは、秩序が壊れる方向に物事が進みます。
このエントロピー増大の法則は、物理学で定式化され、物理学以外の情報理論、生物学など学問全般に受け入れられ、応用されてきました。
しかし、生態系は”複雑系”と呼ばれながらも、均衡作用を伴って、バラバラに崩壊してしまうことなく、38億年も秩序を保っています。生物も環境に適応し、形質を獲得して、より秩序だった存在に、その時ごとに進化してきました。
このように、現実を見れば、逆に秩序が整う、反エントロピーは存在するように思えます。
以前、ニュートンが当時の物理学の教科書として書いた「自然哲学の数学的諸原理」通称プリンキピアに、動的作用反作用の法則が主として書かれていたことをお話ししました。
◇動的作用反作用の法則「Fv=-Fv」は、四元数の”外積”で説明される。
すなわち、時間変化を無視できる、静的な\(F=-F\)の作用反作用の法則という特殊な場合だけではなく、むしろ、動的な\(Fv=-Fv\)という力と速度の積が釣り合うという、時間変化を伴ったダイナミックな作用反作用の法則が、主として、ニュートンの「自然哲学の数学的諸原理」に書かれていたという話です。
その動的作用反作用の法則によれば、反エントロピーは数式で論証できることが今回わかりましたので、ご紹介します。
——————————————–(以下こちらより引用)
ここでもニュートンの動的作用反作用の法則から出発する。
F1 * v1 = – F2 * v2
F1 / F2 = – v2 / v1
温度を
Temp1 = |F1 / F2| = |v2 /v1| (8)
と定義する。
エントロピーを自然対数関数を使って
S1 = ln Temp1 = ln |v2/v1| (9)
と定義する。
エントロピーのこの定義の結果、
作用反作用によってエネルギーの分散|F1|>|F2|が起これば|v2|>|v1|となり|v2/v1|> 1となり
S1 = ln |v2/v1| > 0
のようにエントロピーは正、つまりエントロピー増大となる。
作用反作用によってエネルギーの集中|F1|<|F2|が起これば|v2|<|v1|となり|v2/v1|< 1となり
S1 = ln |v2/v1| < 0
のようにエントロピーは負、つまり反エントロピーと成る。
このようにニュートンの動的作用反作用の法則は「正統派」現代物理学には思いも及ばない反エントロピーを許容する根本法則である。
——————————————–(引用ここまで)
このように、公理としての動的作用反作用の法則によって、エントロピーを自然対数を用いて再定義し、エネルギーの増大と減少の場合を検証してみれば、秩序が増大する反エントロピーが保障されます。
つまり、「物事は放っておくと乱雑・無秩序・複雑な方向に向かい、自発的に元に戻ることはない」とするエントロピー増大の法則は、根本から覆されることになります。
ちなみに、或る座標軸に沿って力が物体を引きずった時、その力と、力が引きずった距離を掛けた積が仕事=エネルギーの定義であり、力\(F\)とはその座標軸上の各点に於けるエネルギー分布を意味しています。
そして、原因と結果の法則である、動的作用反作用前後の\(F\)の比、\(v\)の比を自然対数を用いてエントロピーと定義しているようです。
現代統計力学でも、その系が取り得る微視的な状態の数が \(W\)(個)であるときのエントロピー \(S\)を
\(S=k \ln W\) と定義しています。(ここで \(k\)はボルツマン定数)
もっとも、ボルツマン定数も、動的作用反作用の法則を基にした物理大系では、否定されているようではありますが…。
ともあれ、上で確認した通り、われわれの世界は、決して、かならず秩序が崩壊していくのではなく、反エントロピープロセスによって、徐々に秩序だった構造に進化してきたのです。
このように、私たちは、常識を超えて、真理を追究していかなければなりません。そのために、以下のボタンを押すとご覧いただけるRAPTブログは、真実と嘘を見分けるうえで、非常に有益です。是非ご覧ください。
お読みいただきありがとうございました。
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